日本臨床免疫学会会誌
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6 学会合同シンポジウム
6学会合同シンポジウム3  腸管炎症における制御性B細胞の役割
石原 俊治木下 芳一
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2014 年 37 巻 4 号 p. 253

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抄録
  腸管免疫の恒常性は多様な細胞の機能によって担われているが,免疫を負に制御するB細胞サブセットである“制御性B細胞(Breg)”の機能は十分に明らかにされていない.これまでの報告から,Bregを規定する細胞表面マーカーやサイトカイン産生能は様々であり,臓器や病態によってBregのタイプや機能が異なる可能性がある.我々は,CD1dhighCD19highでIL-10を産生するB細胞分画がBregの1つのサブセットであると考え,クローン病モデルマウス(SAMP1/Yit)やヒトのクローン病の病態に,本サブセットの機能異常が関与する可能性を報告した.また,SAMP1/Yitマウスから分離したCD4陽性T細胞をSCIDマウスへ移入した腸炎モデルを作製し,同時移植したBregが腸炎発症や増悪に影響を与えるかを実験的に評価した.本モデルでは,全B細胞移入を共移入した群に比べて,Bregを除去したB細胞を共移入した群において,有意に腸炎の程度が増悪した.本結果は,Bregが腸炎の発症や増悪に関わる可能性を示唆する所見である.さらに我々は,体外で調整したアポトーシス細胞を経静脈的に投与すると腸管炎症が抑性されることを見出し,その抗炎症効果にBregの機能が関与することを明らかにした.本シンポジウムでは,腸管におけるBregの機能について,これまでの報告と我々の研究成果の要点を紹介する.
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© 2014 日本臨床免疫学会
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