日本臨床免疫学会会誌
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6 学会合同シンポジウム
6学会合同シンポジウム2  免疫性神経疾患とPrecision Medicine
山村 隆荒木 学中村 雅一
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2014 年 37 巻 4 号 p. 252

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抄録
  多発性硬化症(MS)の治療薬の開発は盛んであるが,現在利用可能な治療薬の有効例は限られ,MS病態の多様性を示唆している.近年,抗アクアポリン4抗体の上昇を伴う視神経脊髄炎(NMO)がMSから分離され,インターフェロンβで悪化したMS症例の多くが,実はNMOであったことが明確になった.我々の研究グループは,NMO病態におけるIL-6依存性プラズマブラストの重要性を示し(Chihara et al 2011; 2013),難治性NMOに対するtocilizumabの有効性を報告した(Araki et al 2012; 2014).免疫性神経疾患においても,病気のメカニズムを詳細に解析し,その結果に基づいた精密な医療(いわゆるPrecision Medicine)を実践する時代が到来したことを意味している.我々は最近,インターフェロンβが無効なMS症例の多くで,プラズマブラスト増加が見られることに着目し,このような症例における詳細な解析を開始した.NMOとの類似性を認めるため,tocilizumab治療も開始している.インターフェロン無効MSが,新たなオーファン疾病として分離され,医薬品開発の対象になる可能性がある.Drug non-responderの治療法開発研究は,次の10年の重要課題である.
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© 2014 日本臨床免疫学会
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