日本臨床免疫学会会誌
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シンポジウム
シンポジウム2-4  ヒト化マウスの開発と応用
石川 文彦
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2014 年 37 巻 4 号 p. 264

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抄録
  私たちは,ヒトの免疫システムを理解するとともに,白血病など造血器悪性疾患が,どのようにして免疫監視を逃れ,発症・再発するかを明らかにすることを目的に研究を進めている.
  免疫細胞が分化・成熟する組織,骨髄・脾臓・胸腺・リンパ節は,ヒトの場合,直接解析することが容易ではないことから,私たちは,臍帯血由来ヒト造血幹細胞を,免疫不全マウス(NSGマウス)の新生仔期に経静脈的に移植することで,高率なヒト細胞の生着を得ることに成功した.また,ヒト造血幹細胞は,レシピエントマウスの組織を利用しながら,T, B, NK, myeloid系細胞を供給していることが確認された.一方,免疫細胞の成熟に重要な役割を果たす微小環境はマウス由来であることから,マウス体内で,ヒトの免疫システムを完全には再現できない.そこで,微小環境を構成する分子として,マウス・ヒトの間の相同性が低いものについて,遺伝子組換え技術でヒト化して,あたらしいヒト化マウスの開発を行っている.本シンポジウムでは,ヒト化マウス開発の進捗とともに,ヒト疾患の再現におけるヒト化マウスの利用について紹介したい.
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© 2014 日本臨床免疫学会
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