日本臨床免疫学会会誌
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シンポジウム
シンポジウム3-1  自己免疫疾患におけるゲノムワイド関連解析
岡田 随象
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2014 年 37 巻 4 号 p. 266

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抄録
  ゲノムワイド関連解析(genome-wide association study; GWAS)とは,ヒトゲノムの全領域におけるゲノム配列の個人間の違い(多型)と疾患との因果関係を網羅的に検討する遺伝統計解析手法の一つである.ヒトゲノム解析技術の発展に伴い,2000年代前半より世界中の研究施設で実施され,関節リウマチや全身性エリテマトーデスといった自己免疫疾患を含む多数のヒト疾患の感受性遺伝子の同定に貢献してきた.
  近年では,(1):国際共同研究コンソーシアムを通じた複数人種,数万人に対する大規模なゲノムワイド関連解析の実施,(2):次世代シークエンサーによるレアバリアント解析との統合,(3):HLA遺伝子アミノ酸多型における罹患リスク解析,(4):疫学的に非独立な関係が推定される疾患群(例:自己免疫疾患と精神疾患)のゲノムレベルでの関わりの解明など,より広い範囲での知見が得られるようになってきている.さらに,得られたゲノムワイド関連解析の成果を,多様な生物学的データベースや創薬標的遺伝子情報と統合することにより,単に疾患感受性遺伝子領域を同定するのみでなく,新たな疾患病態の解明や新規創薬に貢献できることも明らかとなってきた.
  本講演では,関節リウマチを中心とした筆者らのこれまでの成果について報告すると共に,自己免疫疾患におけるゲノムワイド関連解析の今後の可能性について論じたい.
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© 2014 日本臨床免疫学会
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