日本臨床免疫学会会誌
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シンポジウム
シンポジウム3-4  自己免疫疾患における腸内細菌叢解析
三宅 幸子
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2014 年 37 巻 4 号 p. 269

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抄録
  腸管の表面積はテニスコートの約1.5倍にものぼり,そこに存在するリンパ球は1011個にもおよぶ最大の免疫組織である.また,腸管は常に食物の摂取などを通して外来抗原に接するうえに,500種以上の100兆個にも達する腸内細菌叢と共存するなど独特な環境にある.腸内細菌叢が免疫反応に与える影響については,免疫組織の発達はもとより,アレルギー疾患との関連も示唆されてきた.近年では,シークエンスベースの解析が飛躍的に進み,肥満,糖尿病,癌など様々な疾患において腸内細菌の関与が示唆されている.自己免疫疾患においては,動物モデルを用いた研究では無菌飼育,抗生剤経口投与,プロバイオテイックス投与などにより病態が軽減することが示されている.我々は多発性硬化症患の腸内細菌叢の解析を行っている.腸疾患でみられるような多様性の消失はみられなかったが,Unifrac解析では健常人と有意差がみられた.門レベルではActinbacteriaが多くBacteroidesとFirmicutesは少ない傾向があったが,有意差はみられなかった.さらに解析をすすめると,42クラスターについて健常人と有意差がみられたので,他の疾患とも比較しながら紹介する.
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© 2014 日本臨床免疫学会
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