日本臨床免疫学会会誌
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Rising Star Symposium
Rising Star Symposium 3  全身性エリテマトーデスにおけるCalcium/Calmodulin-dependent protein Kinase type IVの役割
一瀬 邦弘古賀 智裕川上 純TSOKOS George C.
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2014 年 37 巻 4 号 p. 273

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抄録
  全身性エリテマトーデス(SLE)は自己抗体と免疫複合体の血管壁,組織の沈着により,種々の臓器障害を引きおこす自己免疫疾患である.ループス腎炎の進行に免疫学的側面が関与していることは理解されているが,どのような機序で腎臓糸球体内部に作用しているかについてはよく分かっていない.SLEのヒトT細胞の核内ではCalcium/calmodulin-dependent protein Kinase Type IV(CaMKIV)の発現が亢進しており,転写因子制御を介したT細胞機能異常を引き起こすことが報告されている.我々はSLEのモデルマウスであるMRL/lprマウスを用い,CaMKIVのB細胞におけるCD80, CD86発現制御によるIFN-γ,TNF-α産生及びmTORシグナルや転写因子CREM-αを介したTh17細胞制御の機序を明らかにした.さらにループス腎炎のCaMKIVによるメサンギウム細胞や糸球体上皮細胞(ポドサイト)の機能的制御について検討を行った.メサンギウム細胞ではその増殖はCaMKIVによるCDK2やcyclin-D1のcell cycleおよびIL-6産生亢進によってもたらされ,ポドサイトでは糸球体濾過フィルターの役割だけでなく,CaMKIVを介したCD86発現制御により免疫担当細胞としての機能を有する可能性があることが示された.このようにCaMKIVは種々のSLEの病態に関与すると思われ,今後の分子標的薬としての役割を担う可能性がある分子である.本シンポジウムではSLEにおけるCaMKIVの意義について討論したい.
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© 2014 日本臨床免疫学会
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