日本臨床免疫学会会誌
Online ISSN : 1349-7413
Print ISSN : 0911-4300
ISSN-L : 0911-4300
専門スタディーフォーラム
専門スタディーフォーラム 樹状細胞・マクロファージ1  マクロファージの分化・誘導と炎症病態における役割
横田 和浩佐藤 浩二郎秋山 雄次三村 俊英
著者情報
ジャーナル フリー

2014 年 37 巻 4 号 p. 281

詳細
抄録
  関節リウマチ(RA)の罹患関節において,滑膜組織から産生される炎症性サイトカインは滑膜線維芽細胞に作用しRANKLを発現・誘導する.誘導されたRANKLは単球・マクロファージ系破骨細胞前駆細胞に作用し,破骨細胞が分化・誘導される.誘導された破骨細胞は,骨吸収を引き起こし骨破壊が生じることが知られている.我々は最近,マウス骨髄由来マクロファージをTNFαとIL-6で刺激することにより骨吸収能を有する細胞(破骨細胞様細胞)へ分化・誘導出来ることを明らかにした.興味深いことにこの細胞の分化はRANKL非依存的であった.また,マウス頭蓋部皮下へのTNFαとIL-6の投与により,頭蓋骨で骨吸収の促進が確認された.一方,培養ヒト末梢血CD14陽性細胞をTNFαとIL-6で刺激することで破骨細胞様細胞へ分化誘導出来ることが確認された.このことから,慢性炎症病態にあるRA関節腔内において,滑膜組織由来の炎症性サイトカインによりRANKL非依存的にマクロファージやCD14陽性細胞が,破骨細胞様細胞へ分化し,骨破壊を引き起こしている可能性が示唆された.
  今後,炎症性サイトカインによりマクロファージから分化・誘導された破骨細胞様細胞と従来の破骨細胞との相違について検討が必要であり,破骨細胞様細胞の分化・誘導を抑えることが,炎症性関節炎における骨破壊の制御に発展していくことが期待される.
著者関連情報
© 2014 日本臨床免疫学会
前の記事 次の記事
feedback
Top