抄録
【目的】胃炎・胃潰瘍治療剤であるrebamipideのヒトの骨代謝への効果を検討する.【方法】健常人末梢血の単球を48-wellプレートにおいてM-CSF, RANKLの存在下で破骨細胞へ分化させ,培養後抗CD51/61(ビトロネクチン受容体)抗体による免疫染色を行う.分化の過程をtime lapse機能により観察する.Osteologic(R)プレートで吸収窩の数および面積を定量する.さらにアクチンリングの形状を観察する.dentin slice上で吸収窩の形状を低真空圧走査電子顕微鏡(SEM)により観察する.3D計測を行い吸収窩の形状を定量化する.以上の培養に0-3 mMのrebamipideを添加し,その効果を検討する.【結果】ヒト破骨細胞分化を,rebamipideは0, 1, 3 mMにて濃度依存的に抑制した.time lapse機能の観察で3 mMのrebamipideが単核の破骨細胞の段階から破骨細胞分化を抑制した.Osteologic(R)プレートで破骨細胞の吸収を観察しrebamipideは0, 1, 3 mMにて濃度依存的に抑制した.またrebamipideは0, 1, 3 mMにて濃度依存的にアクチンリングの形成を抑制した.SEMによる観察でrebamipide 3 mM添加により吸収窩は観察されなかった.【考察】Rebamipideは,薬理学的濃度でヒト破骨細胞の分化を抑制した.Time lapseによる経時的な観察では,RANKL添加後の分化の初期段階からこの抑制効果が認められた.【結語】Rebamipideはヒト破骨細胞の分化および吸収を抑制した.