抄録
【背景】著者は花粉飛散数増加に連動して患者数が増大するKDや手足口病や伝染性紅斑に加え,東京都定点当たり患者数が2011,'12,'13年と増大した無菌性髄膜炎に着目してきた.花粉飛散数とKD患者数の年次動態の交差相関解析,回帰分析によりKDは,遅延型過敏性の花粉惹起疾患(Pollen-Induced Diseases: PID)であり(Int J Environ Res Public Health. 2014, 11(3), 2628-2641他2報),花粉被曝→免疫→花粉再感作→遅延型過敏反応のゆっくりとした亢進→全身性血管炎KDの発症というprocessが,インフルエンザ・flu流行時期,介入を受けて発症が抑制される現象を1987年以降,神奈川県と東京都で垣間見てきた.【方法・結果・考察】今回,東京都定点報告数の2週刻みのKD,flu患者数につき,一元配置分散分析と多重比較を,年々のflu発症peakのズレの調整前後で行った.分散分析で有意な逆相関を見,多重比較でflu発生peak時のKD発症が2週前との比較で,有意な減少が確証された.この知見はflu流行時の環境雰囲気やflu不顕性感染よりも直接的な,flu感染予防ワクチン投与が乳幼児の少なくも冬場のKD発症を抑制し,春以降に遅延させる可能性を示唆するものであり,fluによるhostでの誘導生成が想定されるIFN-βは多発性硬化症における神経細胞や血管細胞への治療効果が知られ,IFN-β製剤を虚血防御のためKD発症時にIVIGと併用したり,IVIG治療抵抗性KDに適応させる動機づけとなる.