日本臨床免疫学会会誌
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特集:再生医療の臨床応用
次世代再生医療としての唾液腺の器官再生
小川 美帆辻 孝
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2015 年 38 巻 2 号 p. 93-100

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抄録
  唾液腺障害による唾液分泌量の低下は口腔乾燥症(ドライマウス)を引き起こし,齲蝕や感染症,嚥下障害などを惹起することが知られている.自己免疫疾患や社会の高齢化に伴い口腔乾燥症患者は増加しており,社会的な問題となっているものの,現在の治療法は対症療法が主流であり,抜本的な治療法の開発が望まれている.最近になって,損傷した組織の修復と唾液分泌の機能回復に向けて再生医療からのアプローチが始まり,幹細胞移入療法や遺伝子治療などが報告されつつある.さらに次世代再生医療として,疾患や傷害により機能不全に陥った器官を再生器官に置換する器官再生医療が進められている.著者らは胎仔期の発生する器官原基を上皮性幹細胞と間葉性幹細胞により再生する器官原基法を開発し,再生器官原基を生体内に移植することにより,歯や毛,唾液腺,涙腺など幅広い器官の機能的な再生が可能であることを実証した.本稿では,著者らの研究成果を中心に唾液腺の機能的な器官再生医療の実現可能性について解説したい.
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© 2015 日本臨床免疫学会
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