日本臨床免疫学会会誌
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シンポジウム
シンポジウム2-5 生体イメージングで捉える免疫炎症・骨破壊の動的な実体
石井 優
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2015 年 38 巻 4 号 p. 243

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抄録

  動物の本質は「動き」にある.生体内においても,多彩な生命活動の維持のためには,様々な細胞が動き続けている.従来の組織・形態学の解析では,注目する組織・臓器を「固定」して観察していた.いわば「生体」を「死体」にして観察していたので,細胞の動きに関する情報を得ることはできなかった.近年,低侵襲で深部組織の観察に適した「2光子励起顕微鏡」の登場により,生体を「生きたまま」で観察することで,in vivoでの細胞動態をリアルタイムで解析することが可能となってきた.演者は特に,従来極めて困難であると考えられていた,生きた骨組織・骨髄腔の内部を高い時空間分解能で観察することに世界に先駆けて成功し,古い骨を吸収して骨代謝を調節する破骨細胞の作動様式を実体的に解明した.本講演では,これら最新の蛍光生体イメージングの研究技術を駆使した,破骨細胞・骨芽細胞の動態と機能・および炎症状態におけるそれらの動的な制御機構に関する新たな知見を紹介する.

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© 2015 日本臨床免疫学会
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