日本臨床免疫学会会誌
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学会特別企画
学会特別企画 分子標的治療薬のアニュアルエビデンスレビュー1 関節リウマチ治療エビデンスレビュー
松本 功
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2015 年 38 巻 4 号 p. 275

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抄録

  昨今の関節リウマチ(RA)治療においては,早期診断治療はもちろん,活動性の強い患者における積極的かつ強力な治療を考える方向にある.RAに対する薬物治療は,TNF阻害薬,IL-6阻害薬,及びT細胞選択的共刺激薬などの有効な生物学的製剤の登場で飛躍的に進歩した.本邦においても合計7剤の生物学的製剤が使用可能であるが,経口薬でもメトトレキサートをアンカードラッグとして用い,さらに有効性が高いJAK阻害薬の登場により有効性が高まりつつある.近年の分子生物学,免疫学,遺伝学の高度な進歩や,上記製剤の顕著な有効性からRAの病態解明がさらに進んだと考えられるが,本講演では,RA治療におけるこの1年で報告された実臨床での治療エビデンスにふれ,何故これら製剤がRAで有効であるかの病因論的な部分も絡めて,製剤と各々の制御の現状について述べる.

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© 2015 日本臨床免疫学会
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