2015 年 38 巻 4 号 p. 306
日本でもインフリキシマブのバイオシミラー(BS)製剤が承認され,数多くのBS製剤治験も行われている.BS製剤がもたらした功績は医療費の削減以上に,生物学的製剤への理解を深めたことにあると考えられる.オリジナル製剤との違いを問うことによって,個々の製剤の高次構造,作用機序,免疫原性などの詳細を,多くの臨床医が改めて検証したことであろう.その検証で確認された生物学的製剤の用量特性,Fc部分の意義などを含めて,本セミナーではBS製剤の基礎データを中心に解説し,課題や今後の可能性について議論したい.