日本臨床免疫学会会誌
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一般演題(ポスター)
P1-015 14-3-3ηが,ヒト破骨細胞分化へ及ぼす作用の検討
八子 徹南家 由紀川本 学小橋川 剛山中 寿小竹 茂
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2015 年 38 巻 4 号 p. 316a

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抄録

  【目的】14-3-3蛋白はubiquitousに発現している細胞内シャペロン蛋白であり,細胞内蛋白と相互作用してシグナル伝達やタンパク輸送などの多様な機能を有している.14-3-3 familyには7つのisoform(β, γ, ε, ζ, η, σ, τ)があり,14-3-3ηについては,関節リウマチ(RA)患者の血清中または関節液中で健常人に比しその濃度が上昇しており,さらに14-3-3η陽性の早期RA患者は陰性患者に比較し,関節破壊が進行するという報告もされている(J Rheumatol 2014,Ann Rheum Dis 2014).しかし細胞外14-3-3ηの機能については不明な点が多く,破骨細胞(Oc)分化に関しても未だ報告がない.今回14-3-3ηがヒト破骨細胞分化に与える影響について検討した.【方法】(1)ヒト末梢血よりCD14陽性単球を分離後,M-CSFと共に3日間培養.その後M-CSFと可溶性RANKL(sRANKL)を添加,同時期にrecombinant human 14-3-3η(rh14-3-3η)を加え,10日間培養後にOcを抗CD51/61抗体を用いて染色・同定.(2)(1)と同様の培養系にて分化誘導されたヒトOcをトリプシン処理にて剥離させ回収,このOcをオステオアッセイに添加し,M-CSF,sRANKLとrh14-3-3ηを添加して再度培養,4日目に吸収窩を評価.【結果】rh14-3-3η添加により,ヒトOc分化は有意に抑制された.またOc分化誘導後にrh14-3-3ηを添加すると,Ocの吸収窩が有意に抑制された.【結語】14-3-3蛋白の一つである14-3-3ηはヒトOcの分化および骨吸収を抑制した.

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© 2015 日本臨床免疫学会
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