日本臨床免疫学会会誌
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一般演題(ポスター)
P7-002 老化抑制遺伝子α-Klothoの中枢神経ループスにおける発現の検討
一瀬 邦弘牛草 健佐藤 俊太朗中嶋 秀樹本村 政勝川上 純
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2015 年 38 巻 4 号 p. 348b

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抄録
  【目的】Klothoはカルシウムホメオスタシスを制御し,中枢神経系の老化抑制に重要な役割を果たしていることが報告されている.これまで中枢神経ループス(NPSLE)における髄液中α-Klotho(髄液Klotho)の意義については明らかにされていない.今回,我々は髄液KlothoがNPSLEとSLEの判別マーカーとなりうるかについて検討した.【方法】NPSLE群(N = 34),SLE群(N = 17),ウイルス性髄膜炎(VM)群(N = 19),多発性硬化症(MS)群(N = 15)および視神経脊髄炎(NMO)群(N = 16)における髄液および血清Klotho濃度をELISA法により測定した.NPSLE群およびSLE群における髄液・血清Klotho濃度,年齢,性別,罹病期間,SLEDAI,抗ds-DNA抗体,抗Sm抗体,C3,C4,抗リン脂質抗体症候群合併の有無,髄液中IL-6濃度との関連を統計学的に解析した.【結果】髄液Klotho濃度(中央値)はNPSLE群,SLE群,VM群,MS群およびNMO群においてそれぞれ136.7 pg/mL,380.2 pg/mL,302.1 pg/mL,186.4 pg/mLおよび203.1 pg/mLであり,NPSLE群では他の4群と比較しそれぞれ有意に低下していた.多変量解析では髄液Klotho濃度低値,抗Sm抗体低値,C3高値がNPSLEのリスク因子であることが示された.【結論】髄液Klotho濃度はNPSLEで有意に低値であり,SLEとの判別マーカーとなり得ることが示唆された.
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© 2015 日本臨床免疫学会
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