日本臨床免疫学会会誌
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一般演題(ポスター)
P7-011 脊椎関節炎57例の臨床的検討
千藤 荘津田 耕作明石 健吾西村 啓佑三枝 淳森信 暁雄
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2015 年 38 巻 4 号 p. 353a

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抄録

  【目的】当科で経験した脊椎関節炎の臨床的特徴について検討する.【方法】2013年4月から2014年11月の間に当科に通院歴のある脊椎関節炎(SpA)患者57例を後ろ向きに検討した.【結果】57例の内訳としては,強直性脊椎炎(AS)10例,乾癬性関節炎(PsA)26例,掌蹠膿疱症性骨関節円(PAO)9例,炎症性腸疾関連脊椎関節炎(IBD-SpA)3例,反応性関節炎(ReA)2例,分類不能型脊椎関節炎(uSpA)8例であった.ASAS分類基準は42/57例(73%)で満たしており,残りは臨床症状や画像所見から脊椎関節炎と分類された.患者背景は,性別:男性28例,女性29例(AS:男3女7,PsA:男15女11,PAO:男4女5,IBD-SpA:男2女1,ReA:男2女0,uSpA:男2女6),平均年齢:52.4±13.3歳(23~79歳)であった.HLAは,17例で測定されておりその内6例(35%)でHLA-B27が陽性であった.発症から診断までの期間は中央値でAS:17年,PsA:2.5年,PAO:2年,IBD-SpA:0.9年,ReA:1.1年,uSpA:1.5年であった.治療は,ステロイド:28例(49%),DMARDs:38例(67%),NSAIDs:40例(70%),TNFα阻害剤:18/例(32%)であった.【結論】ASで発症から診断までに長期間要していた.全体としてはHLA-A2陽性の割合が多く,ぶどう膜炎合併の4例はすべてHLA-B27が陽性であった.その他,当科のSpA患者の臨床的特徴を文献的な考察を加えながら検討する.

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© 2015 日本臨床免疫学会
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