日本臨床免疫学会会誌
Online ISSN : 1349-7413
Print ISSN : 0911-4300
ISSN-L : 0911-4300
一般演題(ポスター)
P7-013 全身性エリテマトーデス(SLE)と関節リウマチ(RA)における関節超音波検査を用いた関節病変の検討
小倉 剛久平田 絢子林 則秀武中 さや佳伊東 秀樹水品 研之介藤澤 有希山下 奈多子亀田 秀人
著者情報
ジャーナル フリー

2015 年 38 巻 4 号 p. 354a

詳細
抄録

  【背景】SLEとRAはともに関節の変形を生じうるが,骨破壊の有無などの相違も知られている.【目的】SLEおよびRA患者の関節炎を超音波検査で詳細に検討し,両疾患における滑膜・腱病変の異動を明らかにする.【方法】関節症状を認めたSLE患者13例と,RA患者39例のいずれも新規発症の未治療症例を対象とし,両側手関節,手指関節(MCP,PIP,IP)と伸筋腱,屈筋腱について超音波検査を行った.Gray Scale(GS)とPower Doppler(PD)による関節滑膜および腱・腱鞘滑膜をグレード0~3の半定量法で分類しGS ≥ 2もしくはPD ≥ 1を認めた症例を関節滑膜炎および腱・腱鞘滑膜炎ありと判断した.さらに,関節毎のGS/PDのスコアを計算し病変の特徴を検討した.【結果】SLEでは11例(85%)に関節滑膜炎,12例(92%)に腱・腱鞘滑膜炎を認めた.RAでは37例(95%)に関節滑膜炎,25例(64%)に腱・腱鞘滑膜炎を認めた.関節毎のSLEおよびRAの関節滑膜炎GS+PDスコアはそれぞれ2.2 vs 2.8(p = 0.019)とRAで有意に高かったが,腱・腱鞘滑膜炎GS+PDスコアはそれぞれ1.3 vs 1.0(p = 0.446)とSLEで高いものの有意差はなかった.【結論】SLEとRAにおける関節病変の違いが示唆された.

著者関連情報
© 2015 日本臨床免疫学会
前の記事 次の記事
feedback
Top