日本臨床免疫学会会誌
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一般演題(ポスター)
P7-014 ベーチェット病151例の臨床的特徴
西村 啓佑津田 耕作明石 健吾千藤 荘三枝 淳森信 暁雄
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2015 年 38 巻 4 号 p. 354b

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抄録

  【目的】当院通院歴のあるベーチェット病患者を解析し,臨床的特徴や治療実態を把握する.【方法】2008年4月から2014年12月にかけて当科外来通院歴のあるベーチェット病患者を後向きに抽出した.性別,発症年齢,分類,症状,合併症,検査値(HLA),治療薬などを調査した.【結果】ベーチェット病患者は151例で男女比は1:1.1,平均発症年齢は37.0歳であった.分類としては,完全型9.3%,不全型53.6%,特殊型37.1%で腸管型が最も多く,腸管型は血管病変の合併が有意に多かった(P = 0.008).臨床症状は口腔内潰瘍96.7%,皮膚病変91.4%で,皮膚病変では結節性紅斑様皮疹が47.0%で最多であった.眼症状は52.3%,外陰部潰瘍は55.0%にみられた.腸管病変は回盲部潰瘍が63%と最も多く,血管病変は深部静脈血栓症が60%で最多であった.HLAは71例に検査を行い,HLA-B51, A26陽性はそれぞれ33%,21%であった.薬剤はコルヒチン投与が53.0%と最多で,ステロイド,インフリキシマブ,アダリムマブの投与はそれぞれ29.8%,24.5%,4.0%であった.原疾患による死因は消化管出血,肺胞出血であった.【結論】ベーチェット病に男女差はなく,若年発症が多く過去の報告と同様であった.分類では腸管型と血管型の合併例が多くみられ特徴的であった.

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© 2015 日本臨床免疫学会
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