日本臨床免疫学会会誌
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一般演題(ポスター)
P7-031 原発性シェーグレン症候群に伴う肺病変の特徴
石岡 江梨子杉浦 弘明鈴木 雄介
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2015 年 38 巻 4 号 p. 363a

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抄録

  【背景・目的】原発性シェーグレン症候群(pSS)患者では,間質性肺炎(IP),気道病変などの肺病変を9"90%で合併し,生命予後を規定する重要因子と考える.しかし,本邦の肺病変合併pSSの特徴や予後は不明である.今回,pSSに合併する肺病変の特徴を明らかにすることを目的として,当院における症例を検討した.【方法】2012年1月から2014年9月の期間に当科受診歴のあるpSS患者300例を対象とした.患者背景,胸部画像検査,呼吸機能検査,疾患活動性についてカルテ情報を収集し,後ろ向きに統計学的解析を行った.【結果】胸部画像検査を施行されたpSS患者239例(平均63.6歳)のうち,75例(31.4%)に肺野異常所見が認められた.所見を認めた群は,認めなかった群と比較して,年齢,喫煙,ESSDAIが高かった.肺病変の内訳をみるとIPが23例(31.0%)と最多で,IPの画像パターンはNSIPが最も多かった(65.4%).IP進行例は非進行例と比較して,蜂窩肺所見,UIPが多く,血清IgGが高値であった.さらに,IP進行例では,UIP例における血清IgG値はNSIP例と比較して有意に高値であった.(p = 0.027)【結論】pSSに合併するIPの進行例は,蜂窩肺,高IgG血症を呈する特徴があり,該当例では,定期的な胸部画像検査や呼吸機能検査により肺病変の進行を注意深く評価していく必要がある.

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© 2015 日本臨床免疫学会
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