日本臨床免疫学会会誌
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一般演題(ポスター)
P7-032 ビスホスホネートで治療不十分なステロイド性骨粗鬆症患者に対するデノスマブの臨床効果
北村 登白岩 秀隆野崎 高正井汲 菜摘松川 吉博武井 正美
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2015 年 38 巻 4 号 p. 363b

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抄録

  【背景】ステロイド性骨粗鬆症の治療は現在ではビスホスホネートが第一選択薬として推奨されているが,治療効果不十分の例も認められている.【目的】ビスホスホネートで治療不十分なステロイド性骨粗鬆症患者にデノスマブを使用し臨床効果を検討した.【方法】ビスホスホネートで治療を行っているステロイド性骨粗鬆症患者で骨密度のYAM値が低い,あるいは骨吸収マーカーの上昇している患者にデノスマブを投与し24週後の骨密度,TRACP-5bおよびBAPの推移を検討した.【成績007492】対象症例は16名で全例女性,平均年齢は72.1歳,基礎疾患は関節リウマチ(RA)8例,皮膚筋炎(DM)2例,全身性エリテマトーデス(SLE)2例,血管炎2例,混合性結合組織病(MCTD)1例,強皮症1例,前治療薬はリセドロネート9例,ミノドロネート5例,アレンドロネート1例,エチロドネート1例だった.DEXA法での骨密度でL2~L4の平均の腰椎正面,腰椎側面,左右の大腿骨頸部でデノスマブ変更前と24週後比較し,腰椎正面で改善の傾向を認めたが有意差は無く,他の部位も有意差は無かった.TRACP-5bは投与24週後で有意に低下したが,BAPでは差が無かった.【結論】ビスホスホネート製剤で治療不十分なステロイド性骨粗鬆症患者にデノスマブは有用な治療法の一つである事が示唆された.

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© 2015 日本臨床免疫学会
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