日本臨床免疫学会会誌
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一般演題(ポスター)
P8-026 皮膚筋炎でフォローされていた球脊髄性筋萎縮症(SBMA)の1例
壷井 和幸吉川 卓宏東 幸太安部 武生荻田 千愛横山 雄一古川 哲也丸岡 桃田村 誠朗齋藤 篤史西岡 亜紀関口 昌弘東 直人北野 将康角田 慎一郎松井 聖佐野 統
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2015 年 38 巻 4 号 p. 381b

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抄録

  【症例】52歳男性【主訴】下肢筋力低下,上肢・頭部・体幹部の振るえ【現病歴】2014.2月より両手の発赤腫脹出現し4月に近医受診し,CK 600IU/L台の筋原酵素の上昇,2-3年前より階段昇降の困難感および増悪傾向,ANA陰性,抗Jo-1抗体陰性より,5月に精査目的で当科紹介受診となった.上記所見に加え,上肢・頭部の振るえがあり,入院精査の予定としたが,本人の仕事の都合でキャンセルとなり,その後近医クリニックを受診されていた.近医クリニックで皮膚筋炎の診断で,プレドニゾロン(PSL)30mg/dayより治療開始となり,シクロスポリン(CyA)追加となったが,症状改善は乏しく,体幹部の振るえも増悪認めたため,2014.12月に当科受診し,2015.1月に精査目的で入院となった.入院時,上肢・体幹部・頭部の安静時振戦,女性化乳房,筋原酵素の上昇があり,変性疾患も疑い,当院神経内科評価の下,SBMAが疑われた.家族歴からは,母方のおじにSBMAの既往があり,AR遺伝子CAG反復配列解析では,リピート数49回(正常11-36回)を認め,SBMAと診断した.PSL・CyAについては,入院中に漸減・中止の方針とした.【考察】特発性炎症性筋炎の診断については,当科で経験した本症例のような変性疾患も臨床所見としては類似することがあるため,より慎重に鑑別し臨床に臨む必要がある.

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© 2015 日本臨床免疫学会
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