日本臨床免疫学会会誌
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総説
免疫チェックポイント阻害剤による有害事象
福島 聡
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2016 年 39 巻 1 号 p. 30-36

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抄録

  切除不能メラノーマに対しては,40年間にわたって有効な治療はなかった.しかし,抗PD-1抗体ニボルマブや抗CTLA-4抗体イピリムマブといった免疫チェックポイント阻害剤の登場で状況は一変した.免疫チェックポイント阻害剤は免疫抑制系を阻害し,腫瘍免疫を活性化する薬剤であるが,免疫療法として初めて大規模ランダム化試験でその有効性を証明した.夢の新薬である免疫チェックポイント阻害剤であるが,種々の免疫関連有害事象(irAE)が起きる.免疫チェックポイント阻害の時代においては,これまでにどのようなirAEが報告されており,どのような徴候に留意してフォローすべきかを頭に入れておくことは,臨床家にとって非常に重要である.irAEについて概説し,皮膚,消化管,肝臓,肺など項目ごとに既報を紹介し,免疫チェックポイント阻害剤使用における注意点をまとめる.

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© 2016 日本臨床免疫学会
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