日本臨床免疫学会会誌
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総説
がん免疫療法の時代がやってきた
中面 哲也
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2016 年 39 巻 3 号 p. 164-171

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抄録

  抗CTLA-4抗体,抗PD-1抗体,抗PD-L1抗体などのいわゆる免疫チェックポイント阻害抗体の登場により,その劇的かつ長く効く抗腫瘍効果は世界を驚かせ,さらには,CD19を標的としたCAR-T細胞療法はCD19陽性造血器腫瘍に対して極めて高い奏効率を示し,今や,がんに対する免疫の存在,それらの治療法の有効性について疑う者はいなくなった.また,それに伴い,腫瘍特異的変異抗原(ネオアンチゲン)が注目されており,今や,患者個別のネオアンチゲンを同定してのそれらを標的とした個別化ペプチドワクチン療法の臨床試験も欧米では始まっている.一方で,日本で本格的に取り組んできた共通自己抗原を標的としたペプチドワクチン療法は未だ承認されたものがなく,開発に苦戦している.本稿では,まず近年有効性が示されたがん免疫療法やネオアンチゲンについて概説し,後半は特に日本におけるがんに対する免疫療法の開発状況を期待とともに紹介する.

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© 2016 日本臨床免疫学会
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