2016 年 39 巻 4 号 p. 342
従来,遺伝子プログラムを書き換える手技としては,ES細胞やiPS細胞を用い,かつ,遺伝子組み換えの技術を応用したものがほとんど唯一の手法であったが,近年,TALENやCRISPRを用いた遺伝子編集技術の開発により,ノックアウトマウス・ラットやノックアウト細胞が簡便,安価,かつ正確に行うことができるようになったばかりか,今まで困難であったY染色体などの高度なリピート配列をもつ遺伝子の改変による機能解析が可能となりつつある.また,TALEN/CRISPRシステムは,究極の遺伝子治療を目指した医療にも応用されつつある.さらに,クロマチンのダイナミズムの解析やクロマチン修飾の誘導など,遺伝子編集に留まらず,種々の医学研究への応用が盛んに行われている.臨床免疫学にこれら技術がどう寄与するのか,現時点での遺伝子編集技術に関わる情報をアップデートし,今後の難病の病態研究と治療応用においてどのような展開が期待されるか議論したい.