2016 年 39 巻 4 号 p. 346b
TNFα阻害薬(TNFi)はメトトレキサート(MTX)抵抗性関節リウマチ(RA)において選択すべき代表的な分子標的治療薬である.生物学的製剤を導入する際の選択肢としてはIL-6阻害薬であるトシリズマブ,共刺激阻害薬であるアバタセプトと同列に並ぶが,寛解導入のみならず,その後の減量・中止も含めてエビデンスの面ではTNFiに一日の長があり,製剤の選択肢も多い.さらに,RA治療ガイドラインでは現時点で推奨されてはいないが,疾患活動性が高く予後不良因子をもつ症例にMTXと同時にTNFiを開始する治療の有効性も示されている.TNFiの難点として,他の生物学的製剤と同様に高額な薬剤費および感染症の問題があげられるが,TNFi特有の問題点として,おもに初期の製剤における免疫原性の高さがある.これは製剤の二次無効とも関わる重要な臨床的問題であるが,充分量のMTXを併用し,増量可能な製剤については充分量を投与することである程度対応できる.一部の患者でDNA抗体の上昇やSLE様症状が報告されており注意は必要であるが,臨床上大きな問題となるケースは多くない.TNFiの利点と問題点をよく理解した上で治療に臨みたいが,減量・中止に関しては他の製剤と同様に,今後もエビデンスを構築してゆく必要がある.