日本臨床免疫学会会誌
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WS1-4 関節リウマチ治療におけるアバタセプトのBest use
関口 昌弘松井 聖佐野 統
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2016 年 39 巻 4 号 p. 347b

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抄録

  アバタセプト(ABT)はT細胞上のCD28と抗原提示細胞上のCD80/86との結合を阻害することでT細胞の活性化を制御する生物学的製剤である.自己免疫応答の上流に作用することから,RA以外の自己免疫疾患にも有益な効果を発揮するかと思われたが,現時点においてRAほどの明確な効果は実証されていない.RAにおけるABTの臨床効果は他の生物学的製剤とほぼ同等であり,安全性は比較的高いことから,高齢症例に使用されるケースも多い.更に血清反応陽性(抗CCP抗体陽性)症例では陰性症例に比べ,より優れた有効性や高い継続率が得られる可能性も近年報告されている.我々は生物学的製剤未投与RA患者を対象にABTの有効性・安全性評価を目的とした医師主導多施設共同試験(ABROAD-study)を実施,この試験で65歳以上の高齢群と未満の非高齢群で臨床効果を比較した.全277例中,高齢群は148例(53.4%)と半数以上であった.48週の臨床的寛解率(DAS28-CRP < 2.3)は高齢群と非高齢群で有意差はなかった.48週のABT治療継続かつ12週間以上の臨床的寛解維持を『持続的寛解』と定義し,これの達成に影響しうる予測因子を検討した.その結果,高齢群と非高齢群では予測因子が異なり,高齢群においてはACPA陽性が,非高齢群では低HAQ-DIがそれぞれ独立した『持続的寛解』達成の予測因子であった.1st-BioとしてのABTの有効性予測因子は年齢により異なる可能性が示され,ABT治療のBest useについて考察する.

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