日本臨床免疫学会会誌
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WS1-5 関節リウマチにおける実臨床でのトファシチニブの作用および免疫制御のpros and cons
岩本 直樹右田 清志植木 幸孝川上 純
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2016 年 39 巻 4 号 p. 348

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抄録

  トファシチニブはJAK1/3を主として阻害するJAK阻害剤であり,種々のサイトカイン受容体のシグナル伝達を阻害することにより免疫制御機能を発揮する.我々はRA24例の市販後投与例において有効性および安全性を解析した.平均年齢は65歳,平均罹病期間は14.7年,21例に生物学的製剤投与の既往があり,MTXは12例に併用していた.平均DAS28-CRPは開始時4.68から1年後2.97と改善し,MTX併用/非併用にかかわらず有効性を認めた.中止は3例であり,すべて無効による中止であった.トファシチニブは種々の細胞への作用が明らかとなってきており,RAにおいてはT細胞への作用のみならず,滑膜線維芽細胞(RAFLS)においても間接的/直接的なサイトカイン産生抑制効果やシグナル伝達阻害効果を有している,我々の検討においても,RAFLSへのトファシチニブ添加によるmicroRNAの発現変化を認めた.このような有効性が明らかとなる一方,T細胞への作用の関与が示唆されている帯状疱疹や,NK細胞減少作用などによる悪性腫瘍発症の懸念など副作用についても関心が集まっている実情がある.我々の解析においても帯状疱疹は最多の有害事象であった.今回,実臨床におけるトファシチニブの関節リウマチに対する有効性および安全性と共にRAFLSやT細胞,血球分化に与える影響など現在明らかとなっている作用を報告する.

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© 2016 日本臨床免疫学会
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