日本臨床免疫学会会誌
Online ISSN : 1349-7413
Print ISSN : 0911-4300
ISSN-L : 0911-4300
ワークショップ
WS4-4 浸潤免疫細胞の網羅的解析(Immunosubtyping)から明らかになった,腫瘍間質へのB細胞・形質細胞浸潤の意義について
紅林 泰坂元 亨宇
著者情報
ジャーナル フリー

2016 年 39 巻 4 号 p. 354b

詳細
抄録

  腫瘍間質に認められる多様な免疫細胞の浸潤パターンやその空間的多様性,腫瘍組織型との関係,ならびに予後規定因子としての意義に関しては,不明な点が多い.これらの課題を検討するため,肺腺癌をモデルとして腫瘍間質への免疫細胞浸潤を多重免疫染色を用いて網羅的に同定し,解析した.結果として,肥満細胞浸潤がlepidic patternにおいて多く認められ,T細胞,制御性T細胞,B細胞,形質細胞,マクロファージ,樹状細胞,形質細胞様樹状細胞,好中球はいずれもgrade 2以上のpapillary/acinar patternあるいはmicropapillary/solid patternにおいて浸潤数の増加を認めた.リンパ濾胞形成はgrade 2のpapillary/acinar patternで最も多く認められたが,組織学的悪性度が増すにつれて減少した.これらの免疫細胞浸潤は概ね組織型の多様性の分布に一致して認められることがわかった.クラスター分析により,腫瘍間質への免疫細胞浸潤は,特徴的な4つの免疫細胞浸潤パターン(Immunosubtype)に分類された.これらのうち形質細胞サブタイプと名付けた一群は独立した予後不良因子であった.腫瘍間質へのリンパ形質細胞浸潤は腫瘍に対する免疫応答の一環として生じると考えられるが,腫瘍間質中の形質細胞はIL-35の主要な産生細胞であることがわかり,局所的な腫瘍免疫抑制に関与している可能性が示唆された.

著者関連情報
© 2016 日本臨床免疫学会
前の記事 次の記事
feedback
Top