血管炎診療ではこの10年で大きな変遷が認められる.原発性血管炎の定義については,1994年に策定されたChapel Hill Consensus Conferenceの名称と定義(CHCC1994)が用いられてきたが2012年に続発性血管炎も含め,新たな名称と定義がCHCC2012として発表された.その定義の骨子はいずれも罹患血管の口径(キャリバー)を基軸としている.ついで定義に沿って疾患を区別するために分類基準が策定された.分類基準とは疫学研究などの目的で特定の患者を標準化されたカテゴリーに分類するための基準であり,ACRの分類基準やWattsらの分類アルゴリズムが用いられる.Wattsらの分類基準は原発性全身性血管炎の診断の元にEGPA, WG, MPAの順に分類し最後にPANが分類されるアルゴリズムである.診断のモダリティーにおいても大血管炎のおけるFDG-PETや超音波検査の有用性なども報告され,治療効果判定にも用いられつつある.また治療において中小型血管炎における寛解導入療法でのグルココルチコイドやシクロフォスファミドの重要性に加えてリツキシマブが保険適応となり,また新たな治療薬剤についても検討されている.本セミナーではこれら血管炎の診断および治療の現状と問題点について症例を交えながら考えてみたい.