日本臨床免疫学会会誌
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一般演題(ポスター)
P1-06 TCR signalの異常とループス
松尾 崇史橋本 求疋田 正喜坂井 薫横井 秀基伊藤 能永森 将人藤井 隆夫坂口 志文三森 経世
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2016 年 39 巻 4 号 p. 377b

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抄録

  【目的】全身性エリテマトーデス(SLE)は,過去にT cell receptor(TCR)signalの異常が報告されているが,どのように病態に関わっているかは明らかではない.TCR signalの低下をおこすskg遺伝子は,Balb/cバックグラウンド(SKG/b)でリウマチモデルとなる関節炎をおこし,バックグラウンドをかえると疾患の表現型が変わる.我々はC57BL/6にskg mutationをいれ(B6SKG),主に環境因子としてPoly(I;C)を持続投与し,B6SKGマウスでループスがおきるか実験した.【方法】ループスは,抗dsDNA抗体IgGのELISA,腎臓の免疫染色(IgG, C3)で評価した.Flow cytometryで,脾臓中の濾胞性ヘルパーT細胞(Tfh)をCD4+CXCR5+Bcl-6+PD-1highで,胚中心B細胞(GC B cells)をB220+AA4.1−FAS+GL-7+で測定した.脾臓の免疫染色で,胚中心をPNA+GL-7+CD38−で確認した.mRNAの発現は,Taqman real-time PCRで調べた.【結果】Poly(I;C)を持続投与でB6SKGは,Balb/c,SKG/b,C57BL/6と比べ,血清中の抗dsDNA抗体IgGの抗体価が上昇し,腎臓の糸球体にIgG,C3の沈着を認め,ループス様の腎炎を発症した.Tfhの割合が他のマウスより高く(4-6%),Poly(I;C)刺激後に増加した(7-10%).CD4 T cellsのmRNAでは,IL-21とBcl-6が高発現していた.【結論】skgによるTCR signalの異常は,SLEの危険因子になりうる.B6SKGはTfh分化を特徴とし,T細胞がどのようにループスに関わっているかを検証する良いモデルマウスである.

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© 2016 日本臨床免疫学会
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