2016 年 39 巻 4 号 p. 381a
【目的】関節リウマチ(RA)において滑膜線維芽細胞(SF)が増多する機序は,有効性と安全性に問題をもつ既存治療が標的とする炎症とは異なる標的となりうる.線維芽細胞が増多する機序として,腎線維症や創傷治癒のモデルにおいて外部由来細胞が流入することが示されてきたが,関節炎では明らかでない.本研究では,SFの増多は関節外からの流入に因るか,局所での増殖に因るかを明らかにすることを目的とした.【方法】SFのレポーターマウスであるI型コラーゲン(Col1)-GFPマウスから野生型マウス(WT)へ骨髄移植,およびCol1-GFPマウスとWTにて併体結合後,コラーゲン抗体誘導関節炎(CAIA)やコラーゲン誘導関節炎(CIA)を誘導した.また,Col1-GFPマウスおよび細胞周期のS,G2,M期にAzami-Greenを発現する細胞周期インディケーター(Fucci)マウスの増生滑膜組織において,各々Ki67とvimentinの発現を評価した.滑膜組織は組織学的に評価した.【結果】Col1-GFPマウスから骨髄移植を受けたWT,およびCol1-GFPマウスと併体結合したWTの増生滑膜組織にGFP陽性細胞を認めなかった.正常と比べ増生滑膜組織では,Ki67陽性SFやFucciマウスでS/G2/M期を示すSFの増多を認めた.【結論】RAモデルマウスにおいて,SFは関節外に由来せず局所で増殖する.