2016 年 39 巻 4 号 p. 394a
【目的】関節リウマチ(RA)ではCD4陽性T細胞のT細胞受容体(TCR)レパトアの異常が指摘されている.次世代シークエンサーによるレパトア解析パイプラインの構築とともに,レパトア異常と病態との関連を検討する.【方法】RA患者18名と健常人コントロール21名の末梢血中naive, memory CD4+ T細胞のTCR-β鎖のCDR3配列を次世代シークエンサーで解析した.T細胞受容体レパトアの多様性はRenyiエントロピーにより俯瞰的に評価し,疾患活動性や血清サイトカイン濃度などの臨床情報との相関を求めた.【結果】高疾患活動性RA患者ではnaive, memory CD4+T細胞の双方で健常人群と比して有意にTCRレパトア多様性の減少を認めた.TCRレパトア多様性減少は疾患活動性と相関し,T細胞増殖によるclonalの偏りが病態と関与することを示唆した.また,HLA risk allele数とTCRレパトア多様性減少は相関し,shared epitopeを有するHLAに提示される自己抗原の関与を示唆した.一方,血清炎症性サイトカイン濃度はTCRレパトア多様性減少と有意な相関を示さず,偏ったclonalな増殖への関与は明らかではなかった.【結論】RAにおいて,CD4陽性T細胞の抗原特異的増殖によるレパトア異常が病態と関連している可能性が示唆された.