2016 年 39 巻 4 号 p. 417b
【背景】LRP4は脳神経系を筆頭に多様な組織・器官に分布する膜受容体型タンパク質である.最近,我々は小胞体(ER)にLRP4が異常に貯留する現象を見出すとともに,このERに貯留したLRP4(以後,ER型LRP4と呼ぶ)に結合する自己抗体が多様な神経疾患にて出現することを突き止めた.しかし,免疫性神経疾患以外の自己免疫疾患と当該抗体との関連は不明であった.【目的】ER型LRP4抗体と筋炎の関連を明らかにする.【材料と方法】2012年1月から2014年12月までに東京大学附属病院にて集積された連続123症例の血清を対象にER型LRP4抗体をルシフェラーゼ免疫沈降法により検出した.【結果】1)膠原病を合併した9例中6例(66.6%)でER型LRP4抗体が陽性であった.2)DM/CADMでの陽性率は53.7%/60%と比較的高頻度であった.3)担癌例での陽性率は70.6%と高く,DMの担癌例ではほぼ全例で陽性であり(7/8),TIFI-gammaの陽性率(62.5%)を上回った.4)NAMと診断された14例中,SRP抗体陽性は7例,ER型LRP4抗体陽性が6例,HMGCR抗体用陽性が1例であった.【考察】ER型LRP4抗体は新規のMAAと考えられ,当該抗体の検査はDMにおける癌スクリーニングとNAMの補助診断に有効かもしれない.