日本臨床免疫学会会誌
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一般演題(ポスター)
P2-33 MTX関連リンパ増殖性疾患(MTX-LPD)の自然退縮に関与する免疫因子の検討
齋藤 俊太郎鈴木 勝也山岡 邦宏清水 隆之森 毅彦岡本 真一郎天野 宏一得平 道英竹内 勤
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2016 年 39 巻 4 号 p. 420a

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抄録

  【目的】MTX-LPDはMTX投与中の関節リウマチ(RA)患者における,稀だが重篤な合併症である.一方でMTX中止により自然退縮する例も多く経験され,本研究では自然退縮に関与する免疫因子を検討した.【方法】MTX-LPDと診断したRA患者(n = 10)(MTX中止時=0週,4,12週後)と背景を揃えたRA患者(コントロール群,n = 10)の末梢血をフローサイトメトリー解析し,血清サイトカインをELISA法にて測定した.MTX-LPD群は12週で自然退縮したRegressive群(R群,n = 7)と自然退縮を認めなかったPersistent群(P群,n = 3)の2群に分類した.【結果】LPD診断時,R群において有意にリンパ球数低値を認め,Effector memory CD8+ T細胞(CD3+CD8+CD45RA-CCR7- cells, EM CD8+T)とTh1細胞(CD3+CD4+CXCR3+CCR6- cells)の割合はR群,P群の両群でコントロール群に比して低値だった.MTX中止後,R群でリンパ球数およびTh1,EM CD8+Tは増加したが,P群では増加を認めなかった.IFN-γ値はR群においてのみ有意に増加し,Th1,EM CD8+Tの細胞分画割合と正の相関を示した.【結論】MTX-LPDの自然退縮にはIFN-γおよびTh1細胞やEM CD8+T細胞などの細胞間バランスが寄与している可能性が示唆された.

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© 2016 日本臨床免疫学会
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