2016 年 39 巻 4 号 p. 423a
2000年から2014年の15年間に当科を受診した,原発巣がBRAF変異陽性の悪性黒色腫(stage II,III)30症例を対象として解析した.症例の初診時平均年齢は57.6歳(19~87歳),中央値は60歳で,男性14例,女性16例で,男女比はほぼ同等であった.腫瘍切除検体の免疫染色(CD8,GranzymeB)を行い,NanoZoomerで画像を取り込み,腫瘍部の10視野をランダムに選択し,ImageJでカウントし平均を算出した.カットオフ値をCD8が250/mm2,GranzymeBが150/mm2と設定した.カットオフ値以上の症例を高値群,カットオフ値未満の症例を低値群とした.また,CD8が高値群かつGranzymeBが高値群の症例を,併用の高値群として,それ以外の症例を併用の低値群とした.CD8,GranzymeB,併用のそれぞれの高値群と低値群間の病期に有意差はみられなかった.それぞれの群でKaplan-Meier法を用いて,疾患特異的生存率,無再発生存率を算出した.CD8とGranzymeB単独での高値群と低値群間の疾患特異的生存率と無再発生存率に有意な差はみられなかった.一方,併用の高値群と低値群間の疾患特異的生存率では,高値群で有意に高かった(P = 0.03).また,無再発生存率も,高値群で有意に高かった(P = 0.03).これらのことから,腫瘍切除検体の免疫染色でCD8が低値かGranzymeBが低値の症例では,術後の再発率が高く,疾患特異的生存率も低いため,より慎重に経過を観察したり,術後のアジュバント療法が必要と考えられた.