2016 年 39 巻 4 号 p. 424a
【目的】各種サイトカインの遺伝子の発現変化によって炎症,免疫異常,組織破壊の強度が規定されると考えられる.我々は炎症に関連する遺伝子のmRNA代謝を制御するサイトカインをスクリーニングし,IL-1βによるCXCL2のmRNA代謝制御の可能性を見出した.【方法】各種遺伝子のmRNAの3'-untranslated region(3'UTR)をpmirGLO Dual-Luciferase miRNA Target Expression Vectorにクローニングした.このプラスミドを骨芽細胞株U2OSへトランスフェクトしたのち,各種サイトカインで12時間刺激を行い,ルシフェラーゼ活性を測定した.滑膜細胞における内在mRNA発現はreal time PCRで確認した.RNA結合タンパク質の影響は,reporterプラスミドとRNA結合タンパク質発現ベクターとの共発現により確認した.【結果】CXCL2 mRNAの3'UTRを有したluciferase活性は,IL-1βにより増強した.RNA結合タンパク質はCXCL2 mRNAの3'UTRを有したluciferase活性に影響を与えた.IL-1βは滑膜細胞においてCXCL2 mRNAを誘導し,その効果はCXCL2のmRNA半減期延長によってもたらされると考えられた.RNA結合タンパク質はCXCL2 mRNAの3'UTRを有したluciferase活性に影響を与えた.【結論】サイトカイン刺激によって,炎症関連遺伝子の発現変動に際して,これらのmRNA発現は3'UTRを介した代謝制御を受けている可能性が示唆された.