2016 年 39 巻 4 号 p. 427b
【背景・目的】T-betを過剰発現したT-betトランスジェニックマウス(T-bet Tg)において,コラーゲン誘導性関節炎が抑制されることを以前に報告した.病態の主体であるTh17細胞に対するT-bet過剰発現による分化制御について明らかにする.【方法】1)C57BL/6(B6),T-bet Tg,T-bet Tg/IFNγ−/−のCD4陽性細胞をTh17分化条件で培養し,Flowcytometryを用いて転写因子発現(T-bet, RORγt)とサイトカイン産生(IFNγ, IL-17)を,定量PCRを用いて関連転写因子発現を検討した.2)B6とIFNγ−/−のナイーブCD4陽性細胞にレトロウイルスベクターを用いてT-bet遺伝子を導入し,Th17分化条件で培養後に1)と同様の検討を行った.3)1)と2)のTh17分化条件にAHRリガンドである6-formylindolo[3.2-b] carbazole(FICZ)を添加し,Flowcytometryを用いてAHR刺激によるIL-17産生促進へのT-bet過剰発現の影響を検討した.【結果】1)T-bet Tg,T-bet Tg/IFNγ−/−でRORγt発現とIL-17産生が抑制され,RorcおよびAhrのmRNA発現の低下を認めた.2)B6とIFNγ−/−のナイーブCD4陽性細胞へのT-bet遺伝子導入により,RORγt発現とIL-17産生は抑制され,RorcおよびAhrのmRNA発現の低下を認めた.3)T-bet TgおよびT-bet遺伝子導入のどちらの実験系においてもAHR刺激によるIL-17産生促進は制限された.【結論】T-betはIFNγ非依存的に,RORγtの発現に加えてAHR発現抑制を介してTh17細胞分化を制御する可能性が示唆された.