日本臨床免疫学会会誌
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専門スタディー1 ヒトマクロファージ・ヒト樹状細胞(DC 関連)
ES1-3 疾患特異的マクロファージの機能的多様性
佐藤 荘
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2017 年 40 巻 4 号 p. 277a

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抄録

  最近の免疫学のトピックの1つとして,M1・M2マクロファージが挙げられる.しかし,私たちはマクロファージはM1・M2ではなく更に詳細なサブタイプに分かれると仮定して研究を行った.その結果,アレルギーに関わるサブタイプはJmjd3により分化する事(Satoh T. et al., Nature Immunology 2010),またメタボリックシンドロームに関与するサブタイプはTrib1より分化する事を突き止めた(Satoh T. et al., Nature 2013).これらの研究から,現在私たちは病気ごとの“疾患特異的マクロファージ”が存在している可能性を考えている.新たな疾患特異的マクロファージを探索するために,線維症に着目した.線維化初期に患部で増えるマクロファージについて解析を行い,Ly6C−Mac1+分画の一部の細胞が線維症の発症に必須である事を突き止めた.この細胞の形態的特徴を解析したところ,2核様の形態をとっていたので,Segregated nucleus Atypical Monocyte(SatM)と名付けた(Satoh T. et al., Nature 2017).このように,私たちの体には未だ見つかっていない“疾患特異的マクロファージ”が存在しており,各々が対応する疾患が存在していると考えられる.これらの疾患特異的な細胞を標的とした創薬は,その疾患特異性の高さから,副作用の少ない創薬応用につながることが期待される.

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© 2017 日本臨床免疫学会
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