日本臨床免疫学会会誌
Online ISSN : 1349-7413
Print ISSN : 0911-4300
ISSN-L : 0911-4300
専門スタディー1 ヒトマクロファージ・ヒト樹状細胞(DC 関連)
ES1-4 自己免疫性肺胞蛋白症と抗GM-CSF自己抗体
中田 光竹内 志穂橋本 淳史
著者情報
ジャーナル フリー

2017 年 40 巻 4 号 p. 277b

詳細
抄録

  前世紀末,我々は,特発性肺胞蛋白症の血液及び肺に大量のGM-CSF自己抗体が存在することを発見した(J. Exp. Med, 1999).GM-CSFあるいは受容体欠損マウスが同症を発症することから,同抗体が本症の病因であると唱えた(N. Engl. J. Med, 2003).その後,米国で患者自己抗体をサルに投与した疾患モデルができ,仮説が証明された.その後の検討で,本GM-CSF自己抗体は,GM-CSFに対して非常に強い親和性をもつこと,また,エピトープはGM-CSF分子の複数箇所にまたがり,ポリクローナル抗体であることが分かった.この抗体の多様性の起源として,1)複数のgermline alleleをもつnaiive B cellに由来するという考え方と,2)リンパ濾胞における体細胞超変異に由来するという考え方がある.そのどちらが正しいのかを明らかにするため,自己抗体陽性B細胞の軽鎖/重鎖可変部配列を次世代シークエンスと情報処理技術により大規模解析した.これにより,本症の発症機序解明に寄与したい.

著者関連情報
© 2017 日本臨床免疫学会
前の記事 次の記事
feedback
Top