2017 年 40 巻 4 号 p. 291a
関節リウマチ(RA)は自己免疫応答に伴う滑膜炎により軟骨,骨および関節の破壊を生ずる疾患である.この関節破壊のプロセスにおいては,TNF-αを中心とした炎症性サイトカインの協働が大きな役割を果たしていることが分かってきた.骨破壊を担う細胞は破骨細胞であり,RAにおけるTNF-α阻害療法が関節破壊を強力に抑制するという知見は,TNF-αが破骨細胞分化に大きく寄与していることを示唆している.破骨細胞の分化に最も重要な経路としてRANKL経路が知られているが,TNF-αはIL-6誘導を介して滑膜線維芽細胞のRANKL発現を誘導する.しかしながら,TNF-αが他のサイトカインと協調することで,RANKL経路への依存が相対的に低い状態で破骨細胞分化を促進したり,軟骨細胞のアポトーシス誘導により軟骨の破壊を惹起するなど,広範に関節破壊に寄与することも報告されている.このセミナーでは,そのようなTNF-αを中心とした炎症性サイトカインの協働と骨破壊の関連について最近の知見を交えつつレビューし,RAにおけるTNF-αの位置づけを考えてみたい.