日本臨床免疫学会会誌
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一般演題(ポスター) 1 膠原病の診断1
P1-5 全身型若年性特発性関節炎に合併するマクロファージ活性化症候群におけるsoluble TNFR II/I比の臨床的有用性
清水 正樹井上 なつみ水田 麻雄中岸 保夫谷内江 昭宏
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2017 年 40 巻 4 号 p. 299a

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抄録

  マクロファージ活性化症候群(MAS)は全身型若年性特発性関節炎(s-JIA)に合併する致死的な合併症である.早期の正確な診断と治療介入が必須となるが,今までのところs-JIAの急性期からMASへの移行を診断する特異的な指標はなく,その診断に苦慮することが多い.TNFαの受容体のうちsoluble TNFR(sTNFR)Iは,炎症刺激により様々な細胞で発現が亢進する一方,sTNFRIIは活性化マクロファージなどの炎症細胞においてのみ誘導されることが知られている.そこで今回我々は,sTNFRII/I比がMASにおける炎症細胞の活性化状態を反映する臨床的に有用な指標となるかどうか検討した.MAS合併29例を含むs-JIA症例117例,EBVHLH 15例,川崎病15例,正常対照28例について血清中のsTNFRI, II濃度を測定し,臨床像および活動性指標と比較検討した.sTNFRII/I比はs-JIAの急性期において正常対照と有意な差を認めなかったが,MAS症例およびEBVHLH例では,その他の群と比較し有意に増加していた.sTNFRII/I比はMASの合併と同時に急速かつ高度に増加し,その他の炎症性サイトカインや一般活動性指標と有意に相関していた.これらの結果から,sTNFRII/I比は炎症細胞の活性化の程度を反映するMASの有用な活動性指標となると思われた.

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© 2017 日本臨床免疫学会
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