2017 年 40 巻 4 号 p. 301c
67歳女性.主訴は両下肢のしびれ.X-4年より気管支喘息で他院通院中であった.X年9月に右足首~膝にかけて腫脹・疼痛・しびれ・紫斑が出現し近医整形外科を受診.好酸球数増多を指摘され,PSL 15 mgを開始.数日後,右足の紫斑・腫脹は改善したが,左膝~足先にかけて疼痛・しびれ・腫脹が出現したため,近医皮膚科を受診.その際に腫脹は改善するもしびれは著明であり,抗アレルギー薬を処方され,他院皮膚科紹介となった.受診時,左足背に熱感・腫脹があり,左下肢の神経症状も著明であり,歩行障害を来たしていた.また好酸球数増多を認めており,先行する喘息症状と合わせて好酸球性多発血管炎性肉芽腫症(EGPA)が疑われたため,当院当科に紹介となり,精査加療目的で入院となった.神経伝導速度にて多発単神経炎の所見が得られ,診断基準を満たしEGPAと診断.全身症状(発熱・全身倦怠感)や末梢神経を除く臓器障害は乏しいが,末梢神経障害は急性発症かつ進行性に増悪していたことから重症例と判断し,mPSLパルス,後療法PSLも1 mg/kgの高用量としアザチオプリンの併用を行う方針とした.しかしながら治療後に有意な効果が認められず,ステロイド抵抗例と判断しIVIGを施行したところ,2度目施行後約10週目で症状の著明な改善を認めた.IVIGは神経自体の変性の改善ではなく,神経栄養血管の循環状態が改善することで末梢神経障害が改善すると推定されている.文献的考察を加えて報告する.