日本臨床免疫学会会誌
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一般演題(ポスター) 2 疾患動物モデルを用いた病態解明1
P2-8 新規炎症マーカーLRGの自己免疫性関節炎の病態進行における役割の検討
藤本 穣宇留島 隼人川畑 浩久大河原 知治李 賢本田 宏美世良田 聡仲 哲治
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2017 年 40 巻 4 号 p. 310d

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抄録

【目的】LRG(leucine rich α2 glycoprotein)は,活動期の関節リウマチで上昇する血清蛋白であり,活動性マーカーとして期待されている.最近,LRGはTGFβ又はその受容体と結合して,TGFβシグナルを修飾すると報告された.TGFβは,Th17/Tregバランス調節など免疫疾患の病態に関与するが,LRGの病態への関与は不明である.本研究はLRGの自己免疫性関節炎の病態における役割についてモデル動物で検討した.【方法】LRG欠損マウスと野生型マウスにコラーゲン誘導関節炎(CIA)を惹起し,特にヘルパーT細胞分化に注目して両者の比較検討を行った.リコンビナントLRGの刺激下で,ヘルパーT細胞の分化誘導がどう変化するか,in vitroで検討した.【成績】野生型マウスにCIAを誘導すると,関節炎部位にはLRGが強く発現し,病態への関与が示唆された.LRG欠損マウスの関節炎臨床スコアとTh17細胞の頻度は野生型マウスよりも有意に低く,組織学的にも関節炎の軽減を認めた.LRG欠損マウスのCD4陽性T細胞ではIL-6受容体の発現が低く,IL-6によるSTAT3リン酸化が減弱していた.一方,リコンビナントLRGはヘルパーT細胞のTGFβ/Smad2シグナルを増強し,IL-6受容体発現を上昇させ,Th17分化に促進的に作用した.【結論】LRGはTh17分化を促進する関節炎の増悪因子と考えられ,機序の一つは,LRGがTGFβシグナルを増強し,IL-6受容体発現とTh17分化を促進することと考えられた.

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© 2017 日本臨床免疫学会
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