2017 年 40 巻 4 号 p. 316d
【目的】関節リウマチ(RA)に特異的な抗シトルリン化タンパク抗体(ACPA)は,通常IgG型抗体を測定するが,一部の患者ではIgM型抗体が検出されることも報告されており,本研究はその特徴を明らかにすることを目的とする.【方法】関節リウマチ患者176名の血清を解析した.ACPA抗体価はELISA法で測定し,非シトルリン化ペプチドに対する反応性も調べた.プロテインG結合ビーズやシトルリン化ペプチド結合ビーズを用いて,IgM型ACPA検出における,リウマチ因子(RF)の関与について検証を行った.【結果】IgG型ACPAとは異なり,IgM型ACPAとして検出される抗体の一部は,非シトルリン化ペプチドにも反応していた.そのような検体を除いて解析すると,IgM型ACPAはIgG型ACPA高値例で検出されること,IgM RFとも相関することが明らかになった.ここで血清IgGをプロテインGビーズを用いて除去すると,IgM型ACPAも検出されなくなったため,IgG型ACPA-IgM型RF複合体の存在が考えられた.実際,IgM型ACPA陽性患者血清のIgG除去に用いたプロテインGやシトルリン化ペプチド結合ビーズから抗体を溶出すると,その分画中にIgM型RFが検出された.【結論】シトルリン非特異的抗体やIgG ACPA-IgM RF複合体が,IgM型ACPA偽陽性としてRA患者血清で検出されていた.