2017 年 40 巻 4 号 p. 320d
【目的】潰瘍性大腸炎(UC)やクローン病(CD)といった炎症性腸疾患(IBD)はその他の免疫疾患を合併することが知られている.高安動脈炎(TA)とIBDの合併例がこれまでに報告されているが,合併例の遺伝的背景や腸管病変の特殊性などは明らかとなっていない.【方法】東京医科歯科大学に受診した高安動脈炎142例(男性14例,女性128例)について臨床的背景,HLAおよびIL12Bについて解析し,炎症性腸疾患の合併および内視鏡所見とその変遷を,単施設後ろ向きコホートにて検討した【結果】高安動脈炎142例の年齢中央値は48.5(18-97)歳で,13例(9.2%)で炎症性腸疾患の合併が認められた.同時期に通院している炎症性腸疾患は1500例(潰瘍性大腸炎1116例,クローン病384例)であった.IBD合併の診断時内視鏡所見が評価可能であった8例のうち7例(87.5%)で非連続性の限局的な腸炎を伴い,1例のみが典型的な潰瘍性大腸炎と診断された.遺伝学的検討ではIBD合併例でHLA class IではHLA-B*52:01,C*12:02を有意に多く認め(P = 0.001,0.009),class IIではHLA-DRB-1*15:02,DQA-1*01:03,DQB-1*06:01,DPB-1*09:01に関連が認められた(P = 0.004,0.019,0.019,0.002).IL12B rs6871626は関連をみとめなかった.【結論】高安動脈炎のIBD合併例はIBDとして非典型的な内視鏡所見を呈し,潰瘍性大腸炎における疾患感受性HLAハプロタイプと関連している.