日本臨床免疫学会会誌
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Hanganutziu-Deicher (H-D)型異好抗体の検討
森藤 隆夫佐藤 由起夫宇佐見 啓二佐川 恵一安島 裕之西間木 友衛粕川 禮司
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1987 年 10 巻 1 号 p. 60-65

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抄録
ウシ赤血球膜から分離されたHighmolecular weight glycoprotein (HMWGP)はneuraminidase処理で失活するN-glycolyl neuraminic acid (NGNA)と,失活しないasialo-HMWGPの2種のH-D抗原活性を持つ.著者らはHMWGPを用いたEIAとウシ赤血球凝集反応により, 10例の肝疾患々者血清中H-D抗体の対応抗原を検討した.
EIAにおいて10例中4例はHMWGPとasialo-HMWGPの両抗原に対して高い抗体活性を示した. 6例はHMWGPに高い抗体活性を示したが, asialo-HMWGPに対する抗体活性は低く,その6例中2例はasialo-HMWGPに対する抗体活性を示さなかった.前者のウシ赤血球凝集反応はHMWGPとasialo-HMWGPで阻止され,後者はHMWGPで阻止されたが, asialo-HMWGPで阻止されなかった.
以上から, 4例のH-D抗体の対応抗原は, asialo-HMWGP, 2例のH-D抗体の対応抗原はNGNAであり,残る4例は両抗原に対するH-D抗体を合わせ持つと考えられた.
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