抄録
Paper discにrabbit thymus extract (RTE)を共有結合させ,これを固相に用いたenzyme linked immunosorbent assay (ELISA)法により抗ribonucleoprotein (RNP)抗体の免疫グロブリンクラス別(以下クラス別)測定および定量を試みた.抗RNP抗体のほとんどがIgGクラスに属し,一部はIgAクラスにも検出された.つぎに抗RNP抗体の定量をするために,抗RNP抗体の単独陽性患者血清より得られたIgG分画を3Hラベルし,これをRTE結合Sepharose 4Bと反応,結合させ,得られたSepharose 4Bの放射活性を測定した.これによりIgG分画中の抗RNP抗体の占める割合を求め,抗RNP抗体を定量し,標準血清とした.またこの標準血清を用い,抗RNP抗体量測定のための検量線を作成した.この検量線を用い,被検血清の抗RNP抗体の定量を行った.この方法により得られた20例の膠原病患者血清の抗RNP抗体量は0.16~3.98mg/mlであった.