子宮頸癌患者19例,良性婦人科腫瘍患者21例および健常婦人7例を対象として,末梢血単核球のphytohemagglutinin (PHA)刺激interferon γ (IFN-γ)産生能およびIFN-γ産生調節機構における単球の関与について検討した.子宮頸癌患者のIFN-γ産生能は対照群(良性婦人科腫瘍患者,健常婦人)に比し低下しており,このことは特に進行期群(II~IV期)で著しかった(P<0.01).単核球から単球を除去すると,対照群の38%,子宮頸癌初期群(0~I期)の55%および進行期群の88%においてIFN-γ産生が増加した.また, PHA刺激培養開始と同時にindomethacinを添加すると,対照群と子宮頸癌患者ともにIFN-γ産生が増加し,その増加率は対照群に比し子宮頸癌患者で有意に高値であった(P<0.05).以上の結果より,子宮頸癌患者末梢血単核球のIFN-γ産生能は,癌の進展に伴い低下し,その機序の1つとしてprostaglandin E2をmediatorとする単球の抑制効果の増強が示唆された.