日本臨床免疫学会会誌
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混合性結合組織病の経過中に全身性のurticarial vasculitisを呈した1例
柴崎 敏昭中野 広文村井 誠三児玉 和也石本 二見男宮原 正
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1989 年 12 巻 1 号 p. 123-128

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抄録
26歳,女性,約7年間,混合性結合組織病(MCTD)の診断のもとに, prednisolone 10mg/日を主体として加療中,血清補体価の低下とともに全身にじんま疹様の皮疹が生じ,臨床上urticarial vasculitisと考えられ皮膚生検にて形態的にleucocytoclastic vasculitisと診断された.このためprednisolone 60mg/日に増量したところ,皮疹は消退と再発を繰り返したが,約1ヵ月後にほぼ消失し,ステロイド剤を維持量まで減量し得た.全身性エリテマトーデス(SLE)によるleucocytoclastic vasculitisの合併は以前よりよく知られているが,今回MCTDに全身性の本症が合併した稀な症例を経験したので報告する.
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