抄録
ヒト末梢血より樹状細胞(DC)を取り出し,自己のT細胞と37°Cで混合培養することによりクラスターを形成させ検討を加えた.
抗CD4抗体,抗OKDR抗体およびγ-インターフェロン(γ-IFN)の存在下にクラスターが形成されることが確認された.しかし3H-サイミジンの取り込みで評価したクラスターの増殖反応は,抗CD4抗体および抗OKDR抗体によりdose-dependentに増殖反応の抑制が認められた.一方クラスター非形成細胞は抗CD4抗体および抗OKDR抗体の有無にかかわらず3H-サイミジンの取り込みは低値にとどまった. DCをインターロイキン1(IL-1)で前処理するとクラスターの増殖反応の上昇が, γ-IFNで前処理すると低下が認められた.
これらの結果はDCのクラスター形成には影響を及ぼさないものの,クラスターの増殖反応にたいしIL-1は促進的に,抗CD4抗体,抗OKDR抗体およびγ-IFNは抑制的に働くと考えられた.